Two Adventurers Stories. 3
手紙(前編)
(a letter. 1)

 純白の平原に続く、2列の足跡。
 その先には、2人の冒険者の姿があった。
 片方は男の剣士で、もう一方は女の魔法使い。
 どちらも寒さに身を強張らせながら、足跡を伸ばしていく。

「寒いね。」との彼女の問いに、彼は「あぁ」とだけ答え、歩く。
 剣士の背中には、愛用の剣と、細長い布で覆われた、1本の槍があった。

『この槍と手紙を、彼に届けて欲しい』
 依頼主はそう言い、母親の形見となった槍と手紙、そして届け先の地図を彼らに託したのだ。


「ここ・・か?」
 剣士は白い息を吐きながら、周りの地形と地図を確認する。
 辺りには雪に覆われた山と、雪に覆われた森と、雪そのものしか見えない。

「家なんて無いじゃないか」
 彼はやれやれと溜息をついた。
 しかし、彼女の方は何かを見つけていた。
「あ、、あれ。洞窟があるよ」

 彼女が指差す方向、雪で膨らんで見える木々の向こう側に、たしかに洞窟が見えた。
「こんな雪しかない所に住んでるから、変な奴だとは思ってたけど、」
 彼は心底呆れた表情になった。
「洞窟に住むほどだとは思わなかった。」

 彼は荷物を背負い直し、「行こう」と彼女に声をかけ、進む。 彼女は半歩後ろを付いて行った。


 洞窟の中。
 雪の白に慣らされた目には、重い黒が充満しているように感じられる。
「In Lor」
 彼女は自分と剣士にNightSightをかけ、2人は奥に進んだ。

 洞窟は、ただただ奥に続いていた。

 敵の出る気配が無いことを確認し、彼は明に火をつけ、彼女に渡した。
「あったかい。」
 薄暗い視界に浮かび上がる、はっきりとした炎は、
 小さいながらも、安心をくれた。


 洞窟が終わり、眩しい白に2人の目が眩む。
「うわ」
 洞窟を抜けると、ぽっかりとえぐられた、巨大な空間に出た。
 頭上には太陽がのぞき、周りは岸壁でぐるりと覆われている。
 この空間も、外と同じように雪で覆われていた。

 丸いケーキの中央を、スプーンで掘って食べたらこうなるかな?と彼女は頭の中で想像していた。

 この空間の中央部分には、雪が積もったのだろうか、小さな山が出来ていて、きらきらと光っていた。


 ・・・いや、違う・・・

 俺は背中から剣を取り、構えた。
 まだ状況の飲み込めていない彼女に一言呟く。 「敵だ」

 あの光ってるのは、雪や氷じゃなくて、鱗だ。

 そのとき、小山ふくらみ、巨体が姿を現した。
 咆哮が衝撃となって響く。

  WhiteWyrm

 純白で美しい、ドラゴンの眷属。

 でも俺には、その姿が途方も無い脅威としか映らなかった。

"a letter" to be continue.


2003/05/13( in Sakura shard )
wrriten by konayuki( into UO:Sakura shard )