純白の平原に続く、2列の足跡。
その先には、2人の冒険者の姿があった。
片方は男の剣士で、もう一方は女の魔法使い。
どちらも寒さに身を強張らせながら、足跡を伸ばしていく。
「寒いね。」との彼女の問いに、彼は「あぁ」とだけ答え、歩く。
剣士の背中には、愛用の剣と、細長い布で覆われた、1本の槍があった。
『この槍と手紙を、彼に届けて欲しい』
依頼主はそう言い、母親の形見となった槍と手紙、そして届け先の地図を彼らに託したのだ。
「ここ・・か?」
剣士は白い息を吐きながら、周りの地形と地図を確認する。
辺りには雪に覆われた山と、雪に覆われた森と、雪そのものしか見えない。
「家なんて無いじゃないか」
彼はやれやれと溜息をついた。
しかし、彼女の方は何かを見つけていた。
「あ、、あれ。洞窟があるよ」
彼女が指差す方向、雪で膨らんで見える木々の向こう側に、たしかに洞窟が見えた。
「こんな雪しかない所に住んでるから、変な奴だとは思ってたけど、」
彼は心底呆れた表情になった。
「洞窟に住むほどだとは思わなかった。」
彼は荷物を背負い直し、「行こう」と彼女に声をかけ、進む。 彼女は半歩後ろを付いて行った。
洞窟の中。
雪の白に慣らされた目には、重い黒が充満しているように感じられる。
「In Lor」
彼女は自分と剣士にNightSightをかけ、2人は奥に進んだ。
洞窟は、ただただ奥に続いていた。
敵の出る気配が無いことを確認し、彼は明に火をつけ、彼女に渡した。
「あったかい。」
薄暗い視界に浮かび上がる、はっきりとした炎は、
小さいながらも、安心をくれた。
洞窟が終わり、眩しい白に2人の目が眩む。
「うわ」
洞窟を抜けると、ぽっかりとえぐられた、巨大な空間に出た。
頭上には太陽がのぞき、周りは岸壁でぐるりと覆われている。
この空間も、外と同じように雪で覆われていた。
丸いケーキの中央を、スプーンで掘って食べたらこうなるかな?と彼女は頭の中で想像していた。
この空間の中央部分には、雪が積もったのだろうか、小さな山が出来ていて、きらきらと光っていた。
・・・いや、違う・・・
俺は背中から剣を取り、構えた。
まだ状況の飲み込めていない彼女に一言呟く。
「敵だ」
あの光ってるのは、雪や氷じゃなくて、鱗だ。
そのとき、小山ふくらみ、巨体が姿を現した。
咆哮が衝撃となって響く。
WhiteWyrm
純白で美しい、ドラゴンの眷属。
でも俺には、その姿が途方も無い脅威としか映らなかった。
"a letter" to be continue.