Two Adventurers Stories. 8
決断(下)
(Decision. 2)

彼女は、
怯える事無く
臆する事無く
毅然とした態度で

「貴方達を倒す」
きっぱりと
言い切った。

 彼女は腰後ろのポーチに片手を伸ばす。
 その手に掴まれる物を見て、俺は意図を悟る。
「うはは、またぴーぴー泣きに来たか」
 黒ローブが下品な声で笑う。
 ・・ムカツク野郎だ。
 俺が突っ込み、彼女はそれに合わせ、手にした物を投げる。
 投げ込まれた爆弾に反応して、奴等が三方に散る。
 俺は躊躇わず、黒ローブに狙いを定め、
「パンッ」
 爆弾の破裂と同時に、黒ローブを弾き飛ばす。
 爆弾は音だけだ。
 黒ローブはくるくると飛んでいくが、その時には次のターゲットを斧使いに定める。
 横から迫る女シーフ。
 手にした短剣が俺の首を狙うが、俺は構わず突っ込む。
 大丈夫。
 このタイミングなら…
 首へ届く寸前の短剣が、彼女のEnergyBoltで弾かれる。
 体勢を崩した女シーフを肩で弾き、斧使いに迫る。
 とろい斧使いの斧を潜り込んでかわし、横に出る。
 そのまま回転し、相手の足を剣でぶん殴る。
 体勢を崩したその背中を更に殴り、転がし、ヘルメットを一撃。
 気絶してろタコ。
「止りなさい!」
 声の方を向くと、女シーフが彼女の首に腕を回し、短剣を頬に当てていた。
 …しまった。
「剣を捨てないと、この子の顔をえぐって殺しますよ?」
 彼女の頬に、短剣がぴたぴたと当る。
 俺は逡巡する。
 ・・どうする?
 でもなんであっけなく・・・

 その時、
 彼女が、
 ウィンクを一つ。

 え?っと思った瞬間。
 彼女は女シーフの腰と腕を掴み同時に沈み込み、
 投げ飛ばした。

「♪〜」
 思わず口笛を吹く。
 呆然とした女シーフの短剣を蹴り飛ばし、両膝で押さえ込む彼女。
 顔は短剣で切れ、そこから血が溢れる。
 彼女は自分の短剣を取り出し、それを女シーフの額に立てる。

「貴女にも・・」
 頬から血が滴り、女シーフの顔を濡らす。
「貴女にも、恐怖を教えてあげる」
「あ・・や、やめて、」
 彼女の、血に染まった頬が、ゆがむ。

 まずい。
 あの顔は、
 愉しんでる顔だ。

 彼女は額に狙いを定め、振り上げ、
「止めろ!」
一瞬止まるが、短剣が振り下ろされる。

 がすっ!

 短剣の刺さる音。
 女シーフは気絶した。
 短剣は、女シーフの顔の横に突き立っている。
 彼女は短剣を抜き、立ち上がる。
「・・・」
 暫く見下ろしていた彼女は、そのまますたすたと来た道を戻り始めた。
「よくやったな、、っておい」
 声を掛ける俺を無視して、彼女はすたすたと歩き続けた。


「おい、、」
 俺は後を追い、肩に手を掛け振り向かせる。
 彼女は、両手でWizard'sHatを掴み、顔を隠していた。
「どうしたんだ・・」
と話す俺に、彼女がもたれかかってきた。
「ごめん、、」
 彼女は、
「恐かっ、、た」

 泣いていた。

「、、恐かった、、」
「本気で、ころし、、そうに」
「恐かったよ、、」

 俺は彼女の肩を抱き寄せ、
「大丈夫だ」
 頭をぽんぽんと叩く。
「もう、大丈夫。終わったんだ。」

 俺達は暫く、そうしていた。


2003/08/13( in Sakura shard )
wrriten by konayuki( into UO:Sakura shard )